COLLABORATION

Perform Better Japan × Best Performance Laboratory





パフォーマンスという言葉には、人体の性能・遂行能力という意味があります。
そして、パフォーマンスを最大化するためには、多角的なアプローチが必要になります。

私たちは、パフォーマンスを向上させるコンディショニングツールとして、
リハビリやトレーニングのエキスパートとして知られるPerform Betterのツールを使用しています。

1991年にトレーニング先進国のアメリカで生まれたPerform Betterは、
リハビリやスポーツパフォーマンス向上のためのツール販売、そして最先端の知識や技術を提供するセミナー事業を展開しています。
そんなトップブランドの日本法人Perform Better Japanのゼネラルマネージャーである北島康介氏と、
Best Performance Laboratory代表の桂良太郎が、
トレーニング動画を通じて、パフォーマンスを最大化するための包括的アプローチをお届けします。

パフォーマンストレーニングとは

現状よりも向上すること全てを、私たちはパフォーマンスアップと呼んでいます。

ゴルフの飛距離が向上することも、
腰痛や肩こりが無くなることも、
ダイエットが成功することも、
現状よりも向上すること全てをパフォーマンスアップと呼んでいます。

パフォーマンスアップには、身体が持つ本来の機能を向上させる必要があります。

金メダリストであっても、人と生まれ持った筋肉の数が違うわけではありません。
生まれ持った関節の数が違うわけでもありません。

どのような目的であっても、
人間である以上、筋肉の数も、関節の数も、適正な可動域も、変わらないわけですから、
自身の体が今どういう状態であるのかを把握し、
自身の体の特徴に則したトレーニングを行う必要があるのです。

人体の性能を向上させるトレーニング、それがパフォーマンストレーニングなのです。

パフォーマンストレーニングユニット

今回のトレーニング動画は、以下の8つのユニットで構成されています。

1Reset リセット 本来の状態に戻す

このユニットでは、筋膜・関節・神経・感覚の状態を整え、身体を本来の状態へリセットします。
筋膜や関節においては、筋膜リリースや関節モビライゼーションなどを行い、関節の可動性、動作や姿勢の知覚、動作時に動員される筋群の間の運動協調性を整えることを目的としています。
筋膜の滑走不全は、高密度化(Densification)や癒着(Adhesion)とも表現されます。
動作のコントロールを司るセンサーは筋膜や関節の中に豊富に存在しているため、体に負荷をかける前に、まずそれらを適切な状態に戻すことがとても大切なのです。


2Breathing ブリージング 呼吸

このユニットでは、呼吸のクセや横隔膜の機能を整え、体を安定化させるための基盤作りをします。
呼吸の機能不全は、血中PHのアンバランス、胸郭の可動域制限、呼吸に関する筋肉の過緊張、腹腔内圧の低下、反り腰、骨盤前傾、自律神経のコントロール不全、情緒不安定、など様々な望ましくない影響を体に与えます。
1日に2万回以上行われている呼吸に機能不全が起きていると、身体に与える影響は甚大なものになり得るのです。また、体幹を安定させる上で最も重要な要素の1つである腹腔内圧(IAP)も、体に負荷をかける前に獲得しておきたい機能です。
つまり、呼吸を適正化することは、トレーニングで体に負荷をかける前に行うべき必須事項なのです。


3Mobility モビリティ 可動性

このユニットでは、意図する位置に身体部位を操作する能力を向上させます。
関節構造によって、関節毎にMobility(可動性)とStability(安定性)の優位性は異なっており、それらの適切な機能を獲得してから体に負荷をかけることが望ましいとされています。
可動域の制限とは体にブレーキがかかっている状態であって、そこから無理矢理に硬い筋肉を伸ばすのではなく、「ブレーキを外しても良いんだ」ということを身体に学習させる必要があります。アクセルを踏み込む前に、まずはサイドブレーキを外すことが大切なのです。
単純な柔軟性ではなく、運動制御を伴っている機能的な可動性を身につけることが体の基礎作りには欠かせないのです。


4Motor Control モーターコントロール 運動制御

このユニットでは、体のコントロール能力を向上させます。
筋力向上の前に、運動制御機能不全は必ず解決しなければなりません。
体がどのような状況にあっても正しい関節の位置をキープできる能力、または筋肉の協調運動を維持したまま動作を遂行できる能力、つまり、運動制御を有しているかどうかはパフォーマンス向上における最も重要な要素の1つになります。
運動制御は微調整された制御能力であって、筋力と密接に関係はしているものの、同じものではありません。
また、意識的動作には階層型制御が機能し、無意識動作には分散型制御が機能することから、意識的な動作と無意識的な動作は、根本的に体の制御方法が異なります。故に、意図的に何を意識させるか、敢えて何を意識させないか、という意図を持ったコーチングもとても大切になるのです。
体のポジションを変えたり、空間や時間を制約したり、ツールを使ったりすることによる変動性(制約)の中で動作のコツを掴む(自己組織化:Self-Organization)ことは、身体運動において最も重要な運動制御を構築していく上で欠かせないプロセスなのです。


5Movement Preparation ムーブメントプレパレーション 動きの準備

このユニットでは、動作の質を向上するために統合的なウォーミングアップを行います。
従来の儀式的かつ伝統的な準備体操ではなく、筋温を上昇させ、筋線維を伸張し、固有受容器を活性させ、神経を活性させ、モータースキルやムーブメントパターンを習得し、全身を統合させながら精神的準備や集中力を促進させることなどを目的として、多様な動きの基礎作りを行います。
ここでは、General Movement(一般的ウォーミングアップ) / Movement Integration(動作の統合) / Neural Activation(神経系の活性)を用いてムーブメントプレパレーションを実施しています。


6Plyometrics プライオメトリクス 傷害予防と爆発力向上

このユニットでは、傷害予防と爆発力向上のためにプライオメトリクスを行います。
プライオメトリクスと言えば、アスリートが力の立ち上がり率(RFD)を強化し、瞬発力を向上させるために行うトレーニングというイメージが先行しがちですが、傷害を予防するために誰しもが早い段階から導入するべきトレーニングです。
傷害を予防するためには、線維の伸張性負荷への耐性を向上し、エネルギーの効率化を促進し、動的安定性を向上させなければなりません。それらを実現するためのプログラミングとしては、跳ぶ方向やジャンプの種類、跳び方、ツールなどの要素を組み合わせて包括的な動的安定性エクササイズを構成しています。
ここでは、ハイドロベストやバナナステップ(ミニハードル)などを用いて、着地動作に反射的制御の要素を組み合わせて実施しています。


7Medicine Ball メディシンボール 傷害予防と連動性

このユニットでは、動きとパワーをリンクさせるためにメディシンボールトレーニングを行います。
回旋動作(Rotational Movement)は、スポーツ動作や日常生活で不可欠な動きにも関わらず、トレーニングの強化対象として考えられていないことが多々あります。爆発的な回旋パワーを発揮するためには、体の中心から末端へどのようにエネルギーを伝えれば良いのか、という効率的なパワーの伝達方法を習得しなければなりません。
またメディシンボールには、プライオメトリクスと同様に爆発力向上と傷害予防の側面もあります。回旋パワーにおける減速能力や制御能力を向上させることは、多面的な動作での傷害を予防する効果も期待できます。それらを実現するために、投げる方向やスタンス、投げる動作、投げ方、ツール、などの要素を組み合わせて包括的な多面的エクササイズを構成しています。
回旋動作を強化し、体の連動性を高めるために、メディシンボールは非常にパワフルなツールとなるのです。


8Strength-Power ストレングス-パワー 筋力とパワー

このユニットでは、筋力とパワーを向上するために機能的なストレングストレーニングを行います。
”Train Movement, Not Muscles”(単一の筋肉ではなく、動作を鍛えるべき)という有名な言葉でも明示されている様に、ただ単に筋力を鍛えることは、必ずしも稼働タイミングや動作パターンを向上させることにはなりません。何故なら頭脳は、筋肉個々の動きとして認識しているわけではなく、動作単位で認識をして本来の機能を生み出しているからです。
 ストレングストレーニングの中には、目的に則した以下のブロックがあります。
  ・Total Body Power Block:全身のパワーの向上を目的としたブロック
  ・Primary & Secondary Block:セッション内で最もメインの動作と2番目にメインの動作の強化が目的のブロック
  ・Rotational Block:回旋動作や抗回旋動作の強化が目的のブロック
  ・Auxiliary Block:補助的な動作の強化が目的のブロック
このようなブロック構成に則り、機能的なストレングスの強化を多角的かつ包括的に進めていくのです。
ここでは、Muscle Slack(マッスルスラック)などを考慮した反射的筋力という要素も組み合わせて実施しています。


以上が、ユニットに基づいたパフォーマンストレーニングのプログラミングになります。
何の原理に基づいて、何を意図として、どのようなユニット構成をしていて、どのような要素の分類をしていて、どのようなエクササイズを、どのようなツールを用いて、どのようにプログラミングしているのか?
表面的なエクササイズの動作手順だけでなく、エクササイズやプログラミングの裏に隠されている「意図」を感じて頂きながら鑑賞頂けると、専門職の方々には最良の学習教材になると私は信じています。

株式会社 Best Performance Laboratory
代表取締役  桂 良太郎

 
 
※動画内での使用ツールに関するお問い合わせ先は下記となります。
 Perform Better Japan(https://www.performbetter.jp/